森のはなし

先日、最高のお天気の中、毎年恒例の森のお手入れ-林業体験-を開催させていただきました。

春の森が人を惹きつけるのか(もしくは山菜の天ぷらや鶏の丸焼きのお昼ご飯の魅力でしょうか)、満員御礼で行うことができました。

毎年、山仕事サークル杉良太郎さんの大学生や、林業家、材木屋、大工さんなどをゲストにお招きして、日本の森について意見交換の時間も設けています。

無事にイベントが終了し、ほっとしているところに、ご自宅を改築後に毎年参加いただいているお施主様より、嬉しいメッセージをいただきました。

「息子が、帰りの車の中で、北山杉と自宅の床の間の話をし始めました。

ついでに、秋田杉、吉野の林業、木曽の檜など彼が社会で学んだことにも広がり、自宅の床の間にはどのような木を使っているのか?

侘び寂び、あめ色になる丸太、自然素材と時間の問題、広葉樹と針葉樹などなど、

小学校の社会見学で見た、町家や自宅のこと、生活空間と森林体験が結び ついたようです。

帰るなり、床の間の材料を見始めて、松と杉の床柱の違いやその部材の直線性や木目を、美しい、と言いました。

彼から、美しいと言う言葉を聞いたのは初めてだと思います。

森林と生活空間、建築史などが、つながっていることに彼なりに気づいたようです。

森林体験を通じて、自ら学んだこと、深く自らの生活環境を学ぼうとしたことこれほど、嬉しいことはございません。

大学生の方々が、ミニ講義をしてくださったことも彼に年齢的に近い大学生だからこそ、余計に身近に感じたのかもしれません。

小中学の理科が、どのように今後、広がるのか、生物学や生態学への広がりも彼の関心事となったようです。

本当に感謝しております。」

我々の思いもよらないところで、とても嬉しい化学反応が起きたようでした。

ぜひまた森へ行きましょう!