CO2を蓄える家

雨降りが続きます。梅雨が明けたら、またあの暑い夏がやってくるのでしょう。

年々暑くなっていく気候。地球温暖化の影響をひしひしと感じる機会が増えました。

木造住宅の主な材料である「木」は、温暖化の原因であるCO₂と水を原料として、糖を作り、大気中に酸素を放出します。いわゆる光合成といわれるものです。

作られた糖は、炭素の化合物として木に貯め込まれ、樹木の成長にしたがって、炭素が蓄積されていきます。

さて、樹木が材木や製品に加工されても、CO₂はそのまま木材の中に蓄えられます。タイトルの「CO₂を蓄える家」とは、まさにこういうことです。

木材の重さの半分は炭素でできており、木造住宅は炭素の缶詰とも言えます。

CO₂を吸収してくれる木ですが、その成長はずっと続くわけではなく、木がある年齢に達すると年間のCO₂固定量は最大となり、それ以降は低下していきます。

そのため、年間の炭素固定量が大きくなる頃に森林を伐採して、木材として利用し、その跡地に植林をすれば、炭素固定量を高いレベルに保つことができます。

一般的な木造戸建て住宅では、およそ14トンのCO₂を固定していると言われ、木造住宅は、「まちの森」とも呼ばれ、脱炭素社会には欠かせない存在です。

脱炭素社会に向けて、国も木造住宅に注目しています。

2050年までの「カーボンニュートラル」に向け、国をあげて木造建築を増やそうとしてるのです。

昨年、「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が改正され、法の対象が公共建築物から建築物一般に拡大しました。また、農林水産省の特別機関として、木材利用促進本部が設置されています。

皆さんも近ごろ、駅やビルなど公共の建築物で、木が使われているのを見かける機会も多いのではないでしょうか。木を上手に活用して、持続的な社会をつくっていけるとよいですね。