自然のエネルギーで乾燥させる

家の材料である木材。

山から切ったばかりの木は、水分を多く含んでいるため、しっかりと乾かす必要があります。

木材を乾かす方法は、主に「天然乾燥」と「人工乾燥」があります。

「天然乾燥」は、風や太陽熱など自然の力を利用して、じっくりと乾燥させる手法です。木材の色やツヤは維持できますが、年単位で時間がかかってしまうのがネックです。

次に、「人工乾燥」とは、乾燥機を使って高い温度で一気に乾燥させる手法です。短時間で乾燥できる一方、急速に高温になることで、木の内部割れが発生しやすくなります。

燻煙乾燥木材(左)と内部割れを起こした人工乾燥木材(右)

彩工房では、木材を「燻煙熱処理乾燥」させて使用しています。

燻煙熱処理乾燥は、高温による内部割れや、時間がかかりすぎるといった課題を克服する、いわば人工乾燥と天然乾燥のいいとこどりの手法です。

燻煙熱処理乾燥窯に入る木材

燻煙熱処理乾燥では、煙や水蒸気の力を使って木材に熱を加え乾燥させます。窯の中で2週間ほどかけてじっくりと木材を燻します。

木に煙や水蒸気で熱を加えることにより、ねじれやひずみを緩和します。さらに、煙やすすによって燻されるため、木が虫や腐れに強くなり、強度も高くなります。

燻すと木材の表面が真っ黒になるのですが、表面を削ることで、再度美しい木目を浮かびあがらせます。

見た目はもちろん、触った際の木の心地良さもそのままです。

燻す燃料となる木材には、加工の際に出る木の皮や端材を利用しています。灯油やガスを燃やさないので、環境に優しい乾燥方法です。

燃焼炉の様子

さて、今回は燻煙熱処理乾燥についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

燻煙処理施設の見学も可能です。ご興味があればぜひご相談ください。